和田4回完全 5K全部空振り
「史上初」の証人にはなれなかった。快挙まであと一人の9回2死。戦況を見つめる和田がベンチでのけぞった。「残念だった? まだオープン戦ですから」。藤岡の許した1安打で惜しくも完全試合は消えたが、自分から始まった完封リレーに満面の笑みだ。
生まれ変わった巨人打線を手玉に取った。初回は谷、鈴木尚、小笠原を3者連続三振。5三振の決め球はすべて切れ味鋭い直球だ。「納得できる球を投げられた。球の走りと打者の反応を確認できた」。最高の立ち上がりでチームを勢いづけた。
4回パーフェクトの快投の中で、課題もきちんと消化していた。早大時代は決め球にも使った右打者のひざ元へのスライダーだ。外角に広がる新ゾーンを最大限に生かそうと、春季キャンプで徹底的に精度を上げた。
「この球をイメージさせれば、外角も広く使える。谷さんのハーフスイングもボールと判定されたけど、あれでいいんです」。初回。谷にカウント1−0から投じて内角を意識させ、最後は計算通りの外角直球でバットに空を切らせた。
プロ5年目の充実ぶりを証明したオープン戦初先発。「和田は本当に良かった。捕手の構えたコースにビシビシ来ていたね」。王監督も思わず歓声を漏らしたが、追求する「投手の完成形」はまだ先。和田の理想と現実が重なれば、「和巳さんを超えたい」という大目標にも大きく近づく。
テンポのいい快投で松中と小久保のアベック弾も誘発。「最高のムードになったし、自分も乗せてもらった。でも、新聞の1面は取られちゃいましたね」。強力打線との相乗作用があれば、1年目と昨季の14勝を大きく上回る自己最多の白星も量産可能だ。
宮崎キャンプから帰福後、乾燥肌の生後6カ月の長女用のクリーム探しに奔走。目に入れても痛くない愛娘に贈る“パパ初白星”も今季の大切な目標だ。「新ゾーンも確認できたし、今回はいい練習になった。次はフォークも試します」。左腕エースの足取りは極めて順調だ。
(相島聡司)
=2007/03/05付 西日本スポーツ=
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